水槽の立ち上げ

水槽セットが届いてからの手順ろ過サイクルの作り方。

金魚、メダカ、熱帯魚の水槽の立ち上げ方について

元気な魚たちの泳ぐ水槽を作るためにconcept

魚の飼育は最初の二週間が肝心です。

店内イメージ

水槽の立ち上げ方にはコツがありますが、それほど難しいものではありません。むしろ知識に対して経験が伴わない状態がいちばん失敗しやすいとも言えます。中途半端な知識が、かえって誤った判断につながってしまう場合があるからです。

特に「水槽 立ち上げ」「ろ過バクテリア」「パイロットフィッシュ」などで検索したことのある人は、ひとまず全てを忘れ、不要な情報と必要な情報を整理されてみることをおすすめします。

理屈で説明するよりもまず言われた通りにやってみて、実際に起こることを自分の目で確かめ、その後で、なぞそうなのか、という順番であれば、正誤入り乱れた情報を元に自己判断による余計なお節介で水槽の中を崩壊させてしまうこともなくなるでしょう。

一流のアクアリストはそれぞれ譲れない主張を持っていますが、だいたい共通しているのは、少しくらいの変化でいちいちうろたえず、冷静に状況を確認し、淡々と対処するということです。水が濁ったからといって、ろ過器を追加したり、水を換えたり、バクテリア剤や水質調整剤を入れてみたり……、こうなるともう完全にハマってしまった状態で、それでも改善しない水槽を前に途方に暮れ、詳しそうな人に聞いてみて言われたとおりにやってみるも、努力も虚しく最悪の事態に、というのが良くあるパターンです

まず、わからなかったら人が教えてくれる、という考えは捨てましょう。そして、正しい情報を伝えてくれる情報源を自ら探し見極める目を養ってください。熱帯魚の世界では、たくさんの人が言っていることは、まず疑ってみるべきです。本当のことが知りたければ、自分でやってみるしかありません。そこにいかに早く気が付くかこそ、初心者を卒業するための重要なポイントです。


Q&A

まずはどうすれば良いのでしょうか?

ろ過器をセッティングしても、肝心のろ過バクテリアがいなくては、ろ過器としては機能しません。ろ過バクテリアによるろ過を生物ろ過と言いますが、その理屈は今は知らなくても大丈夫です。とにかく水中に発生する毒を無害にするバクテリアが必要、ということだけ理解しておいてください。そのバクテリアは大気中をただよっていますので、それが水中に入り込んでろ過器の中で殖え始めるのには少なくとも一週間、空気清浄機などを使っている滅菌状態の部屋なら更に多くの時間がかかります。

これを少しでも早める方法があります。それは他の水槽に入っていたもの、です。海水魚の水槽を立ち上げる際には、ろ過バクテリアのついたライブロックという石を入れるのが常識ですが、熱帯魚ではパイロットフィッシュなどの知らなくても良い話は出回るのに、こうした肝心のところがすっぽりと抜けています。

例えば流木や砂、水草などにはわずかですが、ろ過バクテリアがついているので、これにより急速に増やしていくことができます。わずかとは言っても、大気中をただよっているろ過バクテリアに比べれば十分な数です。ところでこのとき、ろ過バクテリア以外のバクテリアも増えてきます。水槽をセットして1日くらいで水が濁るのは、ろ過バクテリアが殖えるよりも先に、こうした様々なバクテリアが増えてしまったためです。

水槽に水草や流木、砂などを入れると、セッティングして数時間後には様々な有機物が水中に溶け出します。このわずかな有機物を養分として、魚がいない状態でも有益、無益、有害それぞれのバクテリアがいっせいに増え始めるわけです。ここでろ過バクテリアが優位に立てば問題はありませんが、そうでないと水は白く濁り、こうして濁った水は少しくらい水を換えてもどうにもなりません。

こうならないためにも、まずは以下のポイントに注意してみてください。

  • 最初から無農薬の水草や流木などを入れると数日分の時間を短縮できます。
  • 魚を入れるのは数日後。特に水草も流木もない状態では、そもそも元になるバクテリアがいないので、いくら魚を入れてバクテリアのエサとなるアンモニアを増やしても無意味。ただ魚を危険にさらすだけです。少しくらい水が濁っても何もせずに放っておきますが、魚を入れる前になっても濁っていたら水だけを換えておきます。この時入れる水は、例え魚が入っていなくても必ず中和して水温を合わせた水を用意します。
  • 最初に入れる魚の数は60センチ以下なら小型魚2匹、90センチ以下なら中型魚1匹。それ以上なら中型魚2匹くらいが良いでしょう。これはろ過器があってもなくても同じです。この時期のろ過器はほとんど役に立っていないことを理解しましょう。
  • 魚を入れたその日はエサを与えないように要注意!輸送と水質の変化で弱っているところに、水の汚れが加わると致命的です。1〜2日したら、ほんの少しだけ、エサを与えます。エサは1日おきに、少しでも水が濁ってきた気がしたら、雑菌の増殖を抑えるためにエサは水が済むまで中止します。
  • 一週間後には一日一回、エサを与えます。与える時間は照明を付けて30分以降であれば、朝でも夜でも大丈夫です。エサを食べきる前に消灯してしまうとエサが食べ残されてしまう可能性があるためによくありませんが、電気を消す直前にエサをあげると消化不良になるなんてことはもちろんありません。当たり前ですね。アクアリストの間にだけ、なぜか空想上の飼育方法が多すぎます……。
  • 一ヶ月もするとだいぶ安定してきますので、とりあえずもう新しい魚を追加しても大丈夫でしょう。ですが、油断は禁物です。いきなり大量の魚を入れたりすることなく、様子をみながら少しずつ増やしていってみてください。