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お部屋に合わせた水槽の選び方無理せず楽しめるサイズで。

小型水槽、中型水槽で始めるアクアリウムについて

無駄のない水槽セットconceptを選ぶために

水槽セットは売れ残りの詰まった福袋?それとも行列のできるデパートの福袋?

店内イメージ

水槽セットにはとにかく不要なものまで詰め込まれているのを良く見かけます。飼育経験者ならば買わないようなナゾの商品も次々と出てくるかもしれません。

さて、金魚やメダカを飼育するのに絶対に必要なのは水槽です。中和剤とエサも揃えておくべきでしょう。柄の長いアミや、水草用の長いピンセットも何かと役立ちます。水草を育てたり、バランスドアクアリウムにするなら照明はあった方が良いでしょう。熱帯魚なら、これに保温器具が加わります。

「ろ過器は?」「バクテリア剤は?」「水質調整剤は?」という声が聞こえてきそうですが、実はこれは必須ではありません。インターネットで信仰されている数多い迷信のひとつです。ろ過器に頼った飼育をしていると、ろ過器の本来の能力さえ発揮されないこともありますし、こと熱帯魚の飼育に関しては、集めた情報は「そういう考えもあるかもしれない」くらいに思っておいて、実際には自分で試してみて確認してみなくては、一生涯、初心者のままです。

ではろ過器はない方が良いかというと、そんなこともありません。要は必要に応じて必要な器具を正しく使うことが大切なのであって、いついかなるときも、ろ過器を付けて、ニトロソモナスやニトロバクター(いわゆる、ろ過バクテリア)、パイロットフィッシュ(熱帯魚の飼育を初めて間もない初心者が、熱帯魚を知らない人に飼育方法を教える際に使いたがる言葉で、パイロットフィッシュの本当の意味を知っている人は熱帯魚の話題では使いません。本来は海水魚水槽の指標や時にスターターとなる特殊用途の魚ですが、インターネットと最近の書籍では誤解された解釈で爆発的に広まっています)の信奉者になってしまっては、そこで飼育の技術も知識もストップしてしまいます。

金魚やメダカ、熱帯魚の飼育は、鑑賞も大きな楽しみのひとつではありますが、同時に研究心をくすぐるアカデミックな趣味でもあります。そうした好奇心と研究心を持って極めていくことができれば、日本の平均的な飼育技術もヨーロッパの水準に近づくことができるのではないかと思います。


Q&A

どんなろ過器がついた水槽セットが良いのでしょう?

ろ過能力が優れているのは外部式フィルターです。メンテナンスはやや面倒ですが、静けさでは群を抜いています。30センチ以上の水槽に使う事を前提に設計sされていますが、実際に試してみたところ、5リットルの水槽でも水流が強すぎる(いわゆる洗濯機状態)こともなく、むしろ水槽の中に、ろ材を入れないため、小さな水槽でも広く使えて便利です。また、ろ過槽にはたくさんの水を貯め込んでいるため、小型水槽の水量不足を補うこともできておすすめです。

45センチ以上の水槽であれば上部式フィルターが良いでしょう。外部式フィルターのように面倒な手順もなく簡単にセットや掃除ができます。特に急場しのぎで水の汚れを改善できる活性炭を活用するには最高のろ過器です。

また、金魚鉢やメダカ鉢のように、ろ過器のない水槽セットもあります。こうしたものにはあえてろ過器を入れる必要はなく、むしろこうした飼い方を経験しておくことこそ、飼育の知識と技術を確かなものにするチャンスでもあります。ただし、ろ過器のない水槽では信じられないくらい少しの数しか飼育することができません。この点にだけは要注意です。

飼育に不要な器具は?

どんな器具も何か必要があって開発されているわけですから、何らかの役には立つと思いますが、活躍の場がほとんどない器具を、ここでは不要なものとして定義したいと思います。

まずバクテリア剤についてですが、これは光合成細菌と呼ばれるもので、初期の水質浄化には効果がありますが、光合成細菌は少しづつ減っていき、ろ過器の中にろ過バクテリアが十分に増えて亜硝酸塩がゼロになる頃にはいなくなります。このため、光合成細菌はニトロバクターが増えるまでの一時的な助っ人として利用するのが良いでしょう。

ろ過バクテリアというとニトロソモナス(アンモニア酸化細菌)、ニトロバクター(亜硝酸塩酸化細菌)だけが知られていますが、これは日本の鑑賞魚業界特有で、これらのろ過細菌は実際には水質に作用する細菌のうちの一部でしかなく、しかも不完全なろ過細菌です。今は不要な知識かもしれませんが、いずれ飼育の難しい種類の飼育などをする場合には、幅広い細菌の知識、特にろ過器のある環境では育たない嫌気性細菌の知識が役に立つこともあるでしょう。

ちなみにこうした水の浄化については日本はたいへん研究が進んでいるのですが、日本のアクアリウムではこのような国産の研究成果はなぜか拒まれ、わざわざ20年以上も前の海外の飼育方法を取り入れて、最新のトレンドとして信じられている面もあります。

水質調整剤については飼いたい種類が好む水質と水道水の水質があまりにかけ離れているときは、PH調整剤が役に立つ場合がありますが、一般的にはあまり必要ないかもしれません。以前は入手しうる全ての水質調整剤を試したりもしましたが、中には熱帯魚がホルモン異常か何かを起こして色彩がとんでもなくおかしな状態になってしまったという現象が生じたこともありました。

もし何か水質調整剤を使いたいのであれば、とりあえずテトラ社の商品では不具合が起きたことはありませんので、効果があるかどうかは実際に使用して判断してもらうとして、安全性は高いと判断しています。ただし、粘膜を保護するようなタイプの水の粘性を高めるものは、熱帯魚の種類によっては合わない場合もありますので、たまたま特殊な熱帯魚を手に入れてしまった時など、よくわからない場合には何も用いない方が良いかもしれません。

水質測定キットについては特に必要ありませんが、お金が余っているならあっても良いでしょう。ただし、数値にいちいち振り回されないようにすることも大切です。例えば魚が死んでしまって、数値を計ってみたら極めて毒性の強い亜硝酸塩の値が高かった場合、死因は亜硝酸塩によるものと思い込んでしまいがちです。鑑賞魚の飼育においてはこの「思い込み」こそが全ての間違いのもとになりますので、くれぐれもご用心くださいますよう。